乾燥していない木材は乾燥すると必ず収縮し、曲がる場合もあり家の狂いの原因になります。
心持ち乾燥材の割れは自然な現象です
樹の心がある木材は強度はありますが、柾目方向と板目方向との収縮率の違いのため多かれ少なかれ割れます。しかし、「割れによって強度の低下はない」という研究結果が出ています(一例として、秋田県立大学木材高度加工研究所編「コンサイス 木材百科」P227があります)。永く風雪に耐えた木造建築にも割れはありますし、新築の家も時が経てば表面からは見えないだけで心持ち材は割れています。極端な割れは論外ですが、木材が幾分乾燥割れするのは自然な現象です。この割れを少なくする乾燥方法(人工乾燥=KDの中でも高温蒸気や高周波を使用します)もありますが、そのためには余計に多くの電力や石油などのエネルギーを多量に消費してしまい環境に負担がかかります。さらに木の自然な艶や香りも失われてしまいます。乾燥割れという自然な現象を人工的に無理に押さえるために木材を切り刻み、接着剤で貼りつけ、エネルギーを浪費する。見栄えを気にするあまり、農薬と化学肥料漬けの野菜を増やしているのと共通した点があるのではないでしょうか?
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